Netflix「マスクガール」コ・ヒョンジョン“3人1役の最後のパートを演じることができて良かった”【ネタバレあり】

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※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。
写真=Netflix
「このようなジャンル物の出演オファーを受けて嬉しかったです。一生懸命に取り組みたいと思いましたし、運が良かったんです」

最近、ソウル市江南(カンナム)区駅三洞(ヨッサムドン)にあるカフェで会ったコ・ヒョンジョンは、Netflixオリジナルシリーズ「マスクガール」への出演についてこのように語った。

同名のウェブ漫画が原作の同作は、容姿にコンプレックスを持った平凡な会社員のキム・モミが、毎晩マスクで顔を隠してライブ配信者(BJ)として活動しながら、思いがけない事件に巻き込まれていくストーリーで、キム・モミの波乱万丈な一代記を描いた。

コ・ヒョンジョンは“囚人番号1047”と呼ばれることに慣れてきた中年のキム・モミ役を務めた。厳しい刑務所生活の中でも自分だけの方法を探して平穏な日々を過ごしていたある日、刑務所の外から届いた手紙により脱獄を決心する。

3人1役の最後のバトンを受け継いだ彼女は、「マスクガール」を通じてこれまで見たことのない姿を披露し、熱演を繰り広げた。短い髪と青白い顔で独特のオーラを放ち、体を使うことも惜しまない好演でクライマックスを飾った。特に彼女の眼差しによる演技が光った。変化する状況の中での複合的な感情を、眼差しで表現して強烈な没入感を与えた。

今月18日に公開された同作は、早くもNetflixグローバルTOP10で1位を獲得。彼女は「作品が期待通り、クールに描かれたので満足しています」とし、「実は作品に渇きを感じていたんです。これまでいろいろなことが多かったので、『演技にだけ集中できる作品が私にも来るかな?』『そういった作品にもう一度出会えるかな』とずっと考えていたんです」と口を開いた。

また、「そのような状況でこの作品に出会いましたが、私としてはとても嬉しかったです。多くの人と作業をしなければならない構成じゃないですか。私一人で引っ張っていくのではなく、多くの人と息を合わせなければならないですし、説明をして、そして説明を聞かなければならないですし。構成が一人では絶対できないシナリオだったので、『この中で私が無難に、目立たず、一人のキャラクターとして溶け込むことができるかな』『私もこういった作品に会えるんだ』と思ってすごく嬉しかったんです」と明かした。

彼女が務めたキム・モミの整形前の姿はイ・ハンビョルが、整形後の姿はナナ(AFTERSCHOOL)が演じた。これについて彼女は「モミを3人で演技することに対するプレッシャーや心境についてよく聞かれるのですが、私はすごく良かったと思っています」とし、「制作発表会でも申し上げましたが、10代、20代、30代、40代、50代のモミはそれぞれ感じることが違うじゃないですか。自分は自分として生きているので変わっていないと思うけれど、10代の頃の友人に40代になって偶然会うと、昔とは全く違う感じがするじゃないか」と説明した。

また、「私も誰かの目にはそう映るだろうと思った。そのためプレッシャーは感じませんでした。それが事実的な部分で、視聴者にとっても特殊扮装より自然に感じられると思いました。よりリアルに感じられるんじゃないかと思ったんです」とし、「3人で(一つのキャラクターを)演技するのは初めてだったので良かったですし、特に最後のパートを任されたので良かったと思っています。自分の年より若かったり年上の役ではなく、同年代を演じられたので良かったです」と述べた。

中年のモミの娘ミモ(シン・イェソ)の安全のため、固い決心をするが、これを演じたコ・ヒョンジョンはどのように解釈したのだろうか。彼女は「母性を感じましたし、父性も感じました」とし、「父性は守ることに焦点を合わせますが、母性は『大丈夫かな』『殴られたんじゃないか』と心配する感じだと思います。それを同時に感じました。母性よりは父性の感情にもっと近かったと思います。無事であるか確認する、その程度の時間しかなかったでしょう。自然に母性は持っていますが、そこまで表現するのは虫がよく、ミモを守ること、父性と同じ感情だったと考えました」と説明した。

彼女は「モミが考える母性は『虫がいい』だったと思います。そのためキム・ギョンジャ(ヨム・ヘラン)の母性を羨んだかもしれません」とも明かした。

イ・ハンビョルの第一印象はどうだったのだろうか。彼女は「ずっと後に会ったんです。同じ人物を演じましたが、会うシーンがなく、後になって対面しました」とし、「圧倒されました。最初に会った時に『あなたがモミなんだ』と思いました。そして自分を見ているような感じがしました。『私は昔、こんな感じだったよな』と思って、自然に抱きしめていました。『本当に大変だったでしょう』と言いました」と、初対面で感じた印象を伝えた。

ナナについては、「現場に来る時、モミの状態で来ているような気がしました」とし、「見ていると『モミだ』という感じがしました。半分はモミの状態で現場に来て、私が撮影を待っている時には互いに挨拶しますが、(それだけでも)助けてもらった気がしました。ナナさんは実際のモミだったんじゃないかな、と思います。彼女には聞きませんでしたが、私はそう感じました。女優として犠牲にしなければならない部分、配慮しなければならない部分、融通という部分においても彼女はベストを尽くしたと思います。変化していくモミを完璧に表現したと思います」と絶賛した。

アン・ジェホンもマスクガールへの執着と妄想にとらわれたチュ・オナムに変身し、注目を集めた。彼女は「『愛してる』と叫ぶアン・ジェホンさんを見て、『演技というものはこうしなければいけないんだ』と感じました」とし、「新しい役を務めて演技するとしたら彼のようにやらなければならないのに、『私は何をしていたんだろう?』と思いました。『唇にでも特殊扮装をしたらよかったのに』『整形の副作用をもっとアピールしたらよかったのに』『平凡だったな』と反省して、欲も出てきました」と語った。

さらに「『負けた。もっとやるべきだったのに』と思うほど、俳優として刺激をもらいました。『参った』『学びたい』『まだまだだ』など、良い刺激を受けました。ヨム・へランさんからも同じ刺激を受けました」と話した。

この作品を通じてポジティブなエネルギーを得た彼女が、今後挑戦したい作品はどんなものだろうか。彼女は「明るい作品に出演したいです」とし、「検事、弁護士、判事など問い詰める役をやってきたじゃないですか。(過去の出演作)『キツネちゃん、何しているの?』のように明るい役に挑戦したいです。今なら苦労せずにできそうです。私はぼうっとしている時が多いのですが、今より年を取る前にキャスティングしてほしいです」と、明るいキャラクターへの意欲を見せて笑いを誘った。

また「俳優たちとおしゃべりをするのも、『砂時計』以降、久しぶりだったんです」と話した彼女は、「それがとても幸せでした。明るい作品だったらもっと楽しかったんじゃないかと思います。後何年も残っていません」と再び強調した。

彼女は「人と交わる喜びを、この作品を通じて本当に強く感じました。監督と会話をしてからは、すぐに説得されて動きや別のアイデアも浮かびました。監督のディレクションから『優しさの力、真面目さの力は大きいんだな』と感じましたし、『自分にできることはもっとないだろうか』と考えるほど、何でもしてあげたいと思いました。冗談のように、次回作でもぜひ呼んでほしいとお願いしました」と明かした。

記者 : ノ・ハンビン